MIT研究者「錠剤型ロボットで手術を回避、切開手術を減らす」

ロボティア編集部
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錠剤型ロボット
photo by MIT

 マサチューセッツ工科大学(MIT)CSAIL所長のダニエラ・ラス(Daniela Rus)氏は、錠剤型ロボットを開発している。その構想が上手く形になれば、患者はリスクの高い手術を受けなくても、病気の治療を行うことができるようになるかもしれない。

 欧米各メディアの報道によると、ラス氏の最新の発明品は錠剤の中に押し込めた小さなロボットだ。人間が飲みこむと体内で「折り紙のように広がる」という。その錠剤型ロボットを飲み込むことにより、普通は手術を必要とする病気が体の内側から処置できるようになり、体を切開する手術の必要性は小さくなる。

 錠剤型ロボットは飲み込まれた後、誤飲した異物を胃内から取り除くことや、体内から薬剤を投与し傷を治療することが可能だそう。医師は錠剤型ロボットが体内の治療の必要な部位に向かうよう、磁場を利用して体の外側から操作を行う。

 錠剤型ロボットの特徴は、そのアフターケアの簡易さにもある。食物と同じように胃で分解され、消化されるからだ。この錠剤型ロボットが承認され、資格を持つ外科医が操作できるようになるまでに、どのくらいの研究・開発資金がかかるのか、ラス氏は明らかにしていないが、部品のコストは100ドル以下で済むのではないかと期待されている。

 研究チームはすでに、シリコン製の胃の模型を使って錠剤型ロボットの実験を行い成功した。次はブタを使った動物実験を進めて行く計画。現在は、MIT動物保護委員会の承認が得られるのを待っている状況だ。

 なお、ラス氏が責任者を務めるロボットプロジェクトには興味深いものがいくつもある。キッチンでシェフとして働く「Bakebots」や、海洋生物学者がクジラの生息域を妨害することなくクジラを監視できるようにさせる「Quadrotors」などだ。ラス氏はまた、今話題の自動走行技術の権威としても知られる。同技術の開発を進めるため、日本の自動車メーカー・トヨタとも連携している。