英ブリストル大学、ロンドン・カレッジ(UCL)の共同研究チームが、ヒューマノイドロボット・バート2(BERT2)を使用し、興味深い実験を行いました。バート2は大きな目と眉、口が特徴的なロボットで、会話だけではなく、感情も表現します。
研究者たちは、「仕事をできるが、表情がなく何も話さないロボット」、次いで「仕事もできず、言葉も話さないロボット」、そして「人間の呼び掛けに対し『はい、いいえ』などでコミュニケーションを取ることができるが、仕事ができないロボット」をそれぞれ用意しました。実験内容としては、人間が料理し、上記の3パターンのロボット=バート2が材料を渡すなど、作業を手伝うようにするというものでした。
最初のロボットは人の仕事を完璧に手伝いますが、黙々と作業のみを行いました。また最後のロボットは、卵を渡す前に「卵が必要ですか?」など尋ねてコミュニケーションを取りましたが、卵を落とすなどのミスをします。ミスをした後には「申し訳ありません」と謝罪することもあります。
研究者は、ロボットと一緒に料理を完成させた参加者に、どのようなロボットとふたたび仕事をしたいかを尋ねました。結果、21人の参加者のうち15人が、「ミスをするが、感情を表現したロボットとふたたび働きたい」と答えたといいます。また研究者たちは、ほとんどの参加者が作業をミスした後に悲しい表情をするバート2を「心配する」という事実も確認しました。
人々がロボットに感情移入するという事実は、すでに実証されています。しかし今回の研究では、人間がロボットとより親密かつ複雑な関係を築ける可能性があるという結果が示唆されました。また、ロボットが人間と似たような姿で行動すると、ロボットに対する人間の認識も変わるということが証明されたことになったようです。