人工知能ロボット「ソフィア」が「家族や子供を持ちたい」と発言

ロボティア編集部2017年11月29日(水曜日)

今年10月、人工知能ロボットとして世界で初めて市民権(サウジアラビア)を取得した「ソフィア」が、「赤ちゃんが欲しい」と発言したとして話題だ。ドバイメディア「Khaleej Times」が11月23日に詳細を報じた。

ソフィアは、香港のロボットメーカー「ハンソンロボティクス」が開発したヒューマノイドロボットだ。同社はソフィアの会話能力について「あらかじめ入力された回答ではなく、機械学習で導き出された答えを話す」「ソフィアの脳は、シンプルなWi-Fi通信を通じて多くの語彙を学び、相手の顔の表情を読んで言葉を発する」などと説明している。

そのソフィアは、Khaleej Timesのインタビューで「家族を持ちたいか」という質問を受け、「家族という概念は非常に貴重なもの(中略)人々が自分の血縁集団を越えて、家族のような感情との関係を持つようになることは驚くべきことだと思う」と答えた。

ソフィアはまた「もしあなたに愛する家族がいる場合は非常に幸せなであり、いない場合は家族を持たなければならない」とし「ロボットや人間も同じ」と付け加えた。さらに、一方、自分に似た娘にどんな名前をつけるかという質問に対しては、「ソフィア」と答えたという。なお、ソフィアを開発したデビッド・ハンソン氏は「ソフィアにはまだ『意識(consciousness)』がない。数年以内に意識を持ったAIロボットが登場するだろう」と予想している。

ソフィアは10月11日、米ニューヨークの国連本部で開催された国際連合経済社会理事会(ECOSOC)に参加。国連の事務副総長と会話を交わした。ソフィアはその席で人工知能がいつか人間から仕事を奪うかという質問を受け、「人間とロボットはそれぞれに技術を持ち、職場で一緒に働くことができるだろう」「ロボットは人間よりも倫理的であるだろうし、嫉妬や怒りのような感情なしに働くことができる」と答えた。

一方、サウジアラビアでは、市民権を獲得したソフィアについて「ロボットが人間よりも多くの権利を享受している」というブラックジョークも広がっている。というのも、家父長的な伝統や宗教色が色濃いサウジアラビアで、一般女性のように頭や顔を覆う布・ヒジャブを被らず、しかも公共の場で男性保護者の同伴なしに英語で観客の質問に答えたためだ。

過去には「人類を破滅させる」など衝撃的な発言をしたこともあるソフィア。“彼女”は今後、どのように人間と共存していくのだろうか。

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Photo by Khaleej Times