「LINE」で有名な韓国ネイバーが、ロボット分野にも投資

ロボティア編集部2015年9月15日(火曜日)

日本ではメッセンジャーアプリ「LINE」で有名な韓国・ネイバー(NAVER)が、ロボット、スマートホーム、インテリジェント・エコカー、などの技術開発に5年間で1千億ウォン(100億円)を投資する。生活製品、自動車、ロボットなど、ユーザーが接するすべての製品にネイバー社のサービスを拡張する戦略だ。言い換えれば、モバイル時代を迎え、PCからモバイルへのサービスの切り替えを成し遂げた現在、モバイルを越え、どのデバイスでもネイバーサービスに接することができるようにするというのがその目標となる。

9月14日、ソウルで開かれたネイバー開発者会議・デビュー(DEVIEW)で、最高技術責任者ソン・チャンヒョンCTOは、技術研究所ネイバー・Labsを通じて、ソフトウェアとハードウェア技術を結合した新たなサービスを開発するプロジェクトを進めると発表した。

ネイバーは、プロジェクトブルー(プロジェクトコード名)で、ネイバーが保有しているソフトウェア開発能力をロボット、モビリティ、スマートホームなどハードウェア分野に拡張する計画である。そのために、国内外の主要な大学や国内企業との共同研究、開発、製造に協力する予定である。

ネイバーは、プロジェクトブルーに今後5年間で100億円を投資する。その中で、ロボットには40億が投入される。米韓の大学との共同研究に投資する計画である。世界的なロボット工学者であるデニス・ホン教授も今回のプロジェクトに参加する。インテリジェント・エコカー(Intelligence green Vehicle)の研究にも40億を投資する。また、スマートホーム、ウェルネス&フィットネスの分野に10億円を投資し、国内企業との共同研究開発を進める計画である。残りの10億は、企業の投資に使用する。ネイバーは海外の大学や企業との緊密な協力のために、米国、カナダなどにネイバー・Labsオフィスを設立する予定である。

ソン・チャンヒョンCTOは、プロジェクトブルーについて「状況に合わせた、そしてよりパーソナライズされた、健康、便利、安全のためのプラットフォームを作るためのプロジェクトと考えて欲しい」と説明した。ネイバー・Labsを通じて、これまでネイバーが蓄積してきた大規模なデータ、ディープランニングなどの応用技術力および開発者の能力などを生活の中のハードウェアと融合させ、グローバル規模の利用者を対象とした、新たなコネクティッド・プラットフォームを作る計画である。

ネイバーはプロジェクトブルーを通じて、ロボットとロボットプラットフォーム、電気自動車、対話型ヒューマンコンピュータインタフェース(HCI)、低消費電力・ハイパフォーマンス・コンカレント・コンピューティング(concurrent Computing)、状況認知、ディープラーニングなど、さまざまな技術を研究開発し、サービスに適用させていく予定である。

特にネイバーは、これまで手を出さなかったハードウェア部分の能力を確保するために、外部企業との協力はもちろん、関連人材採用にも積極的に乗り出す計画だ。
ソンCTOは「(プロジェクトブルーに必要な)データプラットフォームはソフトウェアであるため、ネイバーが本来得意な分野であり、ハードウェアの分野は、他のメーカーもともに使用することができるプラットフォームが別に必要なため、国内外の企業と積極的に協力する計画であり、人材の採用も進める」と語った。

(ロボティア編集部)