LINEの親会社である韓国・ネイバー(NAVER)が、1月26日に実績発表を行なった。そこでは、人工知能アシスタントサービス(AIアシスタント)を開発中であることが明らかにされた。開発を担当するのは、ネイバーとLINE社の技術者たちが集まった「プロジェクトJ」だ。プロジェクトJは人工知能アシスタントを開発することを目的とし、2016年11月に結成された。 プロジェクトJの成果物は、LINEに優先的に採用される見通しだ。
LINE社は2016年11月に、人工知能エンジンをサービスに活用する試みを開始。日本のパークシャテクノロジー(PKSHA Technology)社のベドア(BEDORE)と呼ばれる人工知能エンジンをベースにした顧客対応サービスを、昨年、試験的にオープンしている。
なお、ベドアはWeb 、チャット、メールなど様々なシーンで利用可能な、AIカスタマーサービスソリューションだ。コールセンターに24時間体制で人員を投入すると、人件費やコストがかさむ。ベドアはそのシーンを肩代わり。顧客の要望に24時間対応する。そのべドアをベースにしたサービスの名前は、「カスタマーコネクト」で、日本国内のラインペイの公式アカウントに採用されている。関連会社の顧客から寄せられた質問に答え、通話時間が長くなると、ライン公式アカウントで処理できるようにする機能を盛り込んだ。
一方、ネイバーも、ジュニア向けサイトジュニバー内の「ジュニバーと対話」、オンラインショッピングサービス「ネイバートクトク」で、人工知能を使ったサービスを提供していている。いずれも、ユーザーの質問に対して人工知能が検索データを活用して回答を探す。
ネイバーのサービスには、自社開発された人工知能「ラオン(LAON)」が利用されている。現在、ショッピングサービスなどでは人間のスタッフが回答に答えるなど、まだ完全に適用されている訳ではないそうだが、今後は人工知能が顧客の質問に接する頻度が高まると見られている。