感情のサンドバッグ!?...人間の負の感情を受け止めるロボット登場

ロボティア編集部
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カーネギーメロン大学のロボットデザイナー&調査員(博士論文提出志願者)であるMichal Luria氏が、「憂鬱」、「悲しみ」、「怒り」など人間の負の感情を解放してくれるオブジェクト(ロボット)を開発。英・グラスゴーで開催されたHCIのカンファレンス「ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems」で発表した。

Luria氏は開発したオブジェクト群に対して、「負の感情を引き出す」という意味合いから「カサーティック・オブジェクト(Cathartic Object)」という名称をつけている。ロボットは人間が感情をぶつけられるよう、「たたきつける」、「刺す」、「悪口を言う」などができるように設計されている。モノに物理的な攻撃を加えると気分がなごむという理屈に近く、いわば“感情のサンドバック”とでも言えようか。ただ、ロボットが人間の行動に対して反応するという点が、通常のサンドバッグとは異なる。

Luria氏は、4種類のオブジェクト=ロボットを製作した。例えば、奇妙な笑いを浮かべるが何度もたたきつけると笑うのをやめるロボット、棒を差し込んだ間だけ身体を揺らすロボット、悪口を言うと反応するロボットなどだ。

「破壊はとても一般的な人間の行動のひとつですが、破壊・カタルシス行動を支える技術および相互作用の設計に関する研究はあまりなされていません。同プロジェクトは感情の否定的な表現をサポートするように設計されたオブジェクトに焦点を当てています」(ウェブ上に掲載されたMichal Luria氏)

Luria氏はまた、人々は創造するのと同じくらい破壊するのが好きだとしつつ、ほとんどのインタラクションデザイン研究は「クリエイター」と「メーカー」にのみ焦点を絞っていると指摘する。加えて、否定的な感情を正しく取り組むことで幸福を向上させられる、もしくはカタルシス行動は人々の痛みを和らげ、一般生活における感情の公正さに貢献することができると、既存の社会心理学の研究成果を紹介している。

確かに、現在、人間の感情を読み取るAIロボットの開発が進められているものの、負の感情に対する人間のロボットの関わり方にはあまり注目されていない。同時に負の感情をロボットによって解決する術というのも、パターンや方法が多く確立されていない。Luria氏の研究は、一見、過激かつ非道徳的にも見えるが、ソーシャルロボットの発展において非常に重要な示唆を与えてくれるものとなるかもしれない。