自閉症などの治療&能力向上にロボットが寄与する未来

ロボティア編集部
ロボティア編集部

photo by Autism Speaks

 自閉症患者の権利擁護団体Autism Speaksは、研究資金の提供や自閉症の啓発活動を行っているのだが、同団体によれば、ASD患者の25%は言葉によるコミュニケーションがほとんどできず、残り75%は言葉によるコミュニケーション能力が非常に低いとされている。ただアプリは、そのようなASD児の言葉によるコミュニケーション能力を高める効果があるという。

 言語病理学の専門家ジュール・シラグ(Jules Csillag)氏によれば、「ビジュアルシーンディスプレー(visual scene displays)」というアプリは、言葉を発するのが困難なASD児の成長に役立つという。「障害児教育に携わる先生たちが、テクノロジーをもっと気楽に使えるようになれば、ASD児に合った教材を作成できるようになる」というのが同氏の主張だ。

 次にテクノロジーは、ASDを抱えた子どもたちのSTEM(科学・技術・工学・数学の学問領域)能力を高める面でも威力を発揮する。米ワシントン大学(Washington University)のチームが2012年に行った調査では、大学に進学したASD児のうち、3割強はSTEM分野を専攻していた。

 ロサンゼルスのSTEMアカデミーは、幼稚園から高校3年までのASD、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもたちのために設立された学校なのだが、こうした発達障害の子どもたちが、より多彩な経験をできるよう、STEM科目中心のカリキュラムを組んでいる。自宅で動画による講義を受け、教室では自宅で学んだことをもとに議論や演習を行う「反転授業」を実施する。また生徒はコンピュータ支援設計プログラムや、3Dプリンター、ロボットなどの協働プロジェクトに取り組む。