ロボット時代の新しい仕事・倫理的技術弁護士ってなに?

ファーストロウ_ロボット
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 倫理的技術弁護士のもうひとつタスクは、ロボットにものごとを教える、すなわち教師の役割を果たすことだ。つまり、ロボットに人間の日常言語や行動、微妙なニュアンスの違いを区別・理解する方法を教えるというもの。この教師の役割がしっかりと果たされることで、ロボットと人間は、仲間として、また職場の同僚として互いを信頼しつつ仕事をすることができる。

 Googleの自然言語研究者であるフェルナンド・ペレイラ(Fernando Pereira)氏は、「人間の言葉や行動には曖昧な点がかなり多い。つまり、ロボットは人間レベルの常識を備えなければならない。このため、長期にわたる指導が必要である。そのような“地図”をくれる人間教師がなければ、ロボットは微妙な問題を扱うことに失敗するだろう」と述べている。例えば、病院への導入が期待されるロボット看護師も、人間の教師がいなければ、患者の言葉、行動、気持ちを理解できず、人間の隣に寄り添うことが難しい。そのように、ロボットにいかに人間の常識や感情を伝えるかが非常に重要になってくる。

 もちろん、法律および教育という複合的な仕事ではなく、それぞれを個別に担う新しい仕事が生まれる可能性もある。ロボットが導入される分野も細分化されていくだけに、その領域も広範囲に及ぶはずだ。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。