GoPro初のドローン・karmaの機能不足に懐疑の声か

ロボティア編集部2016年9月21日(水曜日)

 ウェアラブルカメラブランド・GoProが、米カルフォルニアで同社初となるドローン「カルマ(KARMA)」を公開した。事前の触れ込みでは、最新技術が大量に導入されるとのことだったが、どうやら単なる噂に過ぎなかったようだ。現在、カルマの性能に対して、いささか懐疑の声が上がっている。 

 今回、カルマにはユーザーを認識してドローンが追従する技術や、複雑な障害物を避ける自律飛行技術、撮影映像からプロペラ音を消すノイズ除去機能などが搭載されていないことが明らかになった。一方で、実装されているのは振動で生じる画面のブレをなくす画像安定装置など。 

 GoPro側は、アクションカムとの相性や、ポータビリティ(携帯しやすさ)をそのメリットとして挙げている。なお、カルマの重量は約1.8㎏。4つのプロペラを折りたたむことで、小さなバックなどに収納することができる。GoPro関係者は「カルマは独自のドローンというよりも、空を飛ぶ高級アクションカムアクセサリーに近い」と、その開発趣旨を説明している。 

 同社ニック・ウッドマン(nick woodman)CEOは、カルマについて「自動飛行や追尾機能などの技術はまだ消費者が満足できないレベルだと考え、思い切って外した。我々が求めるドローンの本質に集中した」と説明している。加えて「カルマは人生の貴重な瞬間を撮影・共有する『ソリューション』という、我々の本来の目標に忠実な製品(中略)カルマのおかげで、専門家レベルの空中撮影をするUCC(一般人制作コンテンツ)が増えるだろう」とした。 

 ドローン業界関係者のひとりは、「映画レベルの空中映像を希望するマニアであれば、品質が保障されたDJI製のハイエンドドローンを選ぶだろう(中略)そのような競争をどう乗り切るかがポイント」と、カルマ、そしてGoProのドローン業界参入について言及している。 

 カルマは、今年10月23日から米国で販売が始まり、次いで、各国での発売が予定されている。一方、GoProは19日に、音声認識機能と手ブレ防止機能を搭載したアクションカム・ヒーロー5ブラック(HERO5 Black)を公開。音声認識が可能な言語は現在、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、中国語の7言語となっている。