米連邦航空局がCNNに「ドローン撮影・放送」初認可...大型イベント観衆撮影も可能に

ロボティア編集部2017年10月27日(金曜日)

米連邦航空局(以下、FAA)が、競技場などに集まった観客のドローン撮影・放送を放送局に初承認した。承認されたのはCNN。バンテージロボティクス(Vantage Robotics)のドローン「スナップ(Snap)」を活用し、スポーツ競技など大型イベントで観客を撮影・放送することを許可された。

FAAの小型UAS規則(Part 107)には、夜間飛行やドローンの運用に直接参加していない人々の頭上でドローンを飛ばすことができないという規則がある。特定の条件付きで、それら規則には免除条項があるものの、包括的な例外措置が取られたCNNの認可パターンは初事例となる。

撮影・放送に付随する懸念のひとつに「安全性」があるが、CNN側はバンテージロボティクスのスナップを導入することで解決することができたと述べている。スナップの重量は620gと軽量。しかも磁石で繋がっており、衝突した際に衝撃や荷重が分散される。仮に人間の頭に落ちたとしても、人命に係るような大きな被害が生まれる可能性は極めて低いとのことだ。

また安全対策として、スナップにはプロペラの周囲に保護板(shroud:シュラウド)が装備されている。保護板付きのドローンはもはや珍しくないが、スナップのそれは、米建築家バックミンスター・フラー(Buckminster Fuller)が半世紀前に提唱した「テンセグリティ(tensegrity)」のコンセプトに基づいて精巧に設計された“特別製”だという。

実際にどこまで安全性が担保されているかはさだかではないが、米国で大手放送局のドローン撮影・放送が本格的に認可されたというインパクトは大きい。今後、放送という領域でどのようにドローンの活用が進んでいくのか。世界だけではなく、日本国内の動向にも注目したい。

Photo by Vantage Robotics