欧州連合は2019年までに、ドローンの機体、およびパイロットに対して登録制を実施。既存の航空管制システムにドローンを統合していくとした。これは欧州委員会が、16日付で公式声明を発表したもの。欧州委員会は昨年11月の段階で、ドローン関連の規制を明確化することを予告していたが、2019年に本格的に施行に入る形だ。
今回の規制としては、150m以下の低高度飛行空域「U-スペース(U-space)」の扱いが焦点となりそうだ。U-スペースにおけるドローンの飛行は、機体、パイロットの位置がリアルタイムで収集され、管制システムの管理下に置かれる。欧州委員会は2019年までに、専門家で構成された会議で技術標準を策定するなど、詳細を調整する方針だ。
ドローンが普及することで、世界的に数多くの問題が発生している。単純な墜落事故はもちろん、深刻なテロの脅威にさらされている国では規制が強化されはじめている。米国では昨年末に登録制が実施され、2017年3月までに77万台のドローンが登録を終えられた。中国もドローン登録制を義務付ける。
関連規制が施行されれば、欧州旅行で空撮を行う際には事前登録する必要もでてくる。ドローン登録制が施行されている米国では、未登録のドローンを使用し摘発され場合、最大約300円の罰金が課せられる。
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