"モルディブ国防部がDJIと協力...ドローンで国家消滅危機を防げるか

ロボティア編集部2017年2月12日(日曜日)

 モルディブ共和国が災害対応にドローンを活用する。モルディブは現在、地球温暖化に伴う海面上昇で、50年以降に水没・消滅することが憂慮されている国だ。

 今回、モルディブの国防部はドローンメーカーDJI、国連開発計画(UNDP)と協力。国の災害対応担当人材を対象に、ドローンの操作および活用方法のトレーニングを開始した。モルディブ政府はドローンを使用し、海面変化の観察、防潮堤(台風などによる大波や高潮、津波の被害を軽減する堤防のこと)が必要な正確な位置情報、津波被害が起きた際の避難経路の決定、空撮データを使用した3Dマッピングなどの作成に活用する方針だ。

 専門家たちは、これまでヘリコプターや衛星に依存していたデータをドローンを活用して得ることができ、気候変動に効率的に対応することができるものと期待している。UNDP災害リスク軽減専任アドバイザーであるサニー・ジェギロズ(Sanny Jegillos)氏は、ドローン導入の理由について「モルディブは、気候変動に対して非常に脆弱な国。変化に迅速に対応し、回復力を備えるための効率的な方法が必要だった」と説明している。

 モルディブの首都・マレの消防部はすでに、出動経路を定めたり、火災の進行方向を把握する方法としてドローンを導入している。また、ドローンに装着されたサーモグラフィカメラを利用し、海や島で行方不明になった人々を見つける捜索・救助作業を効率化する試みをはじめている。

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