Googleが人工知能技術であるディープラーニング(deep-learning:深層学習)技術を、翻訳サービスに活用開始した。今回使われているディープラーニング技術は、囲碁プログラム「アルファゴ(alphaGo)」に使用された汎用人工知能(AGI)アルゴリズムと同じものだという。
海外専門誌などによると、Googleは27日、「Googleニューラルマシン翻訳」(GNMT)システムを利用した翻訳サービスを開始すると発表した。同日は、Googleがインターネットで機械翻訳サービスを開始してから10周年になる日。既存のサービスは、「フレーズベースマシン翻訳」(PBMT)システムを利用したものだった。
Googleは、GNMTを人が直接監修した結果、既存のPBMT翻訳に比べエラーが平均60%、言語に応じて58%(英語、中国語)から87%(英語、スペイン語)まで減少したと明らかにした。これは、ウィキペディアやニュースサイトから抽出したサンプル文章を翻訳した結果だ。
これまで採用されてきたPBMT翻訳の場合、入力された文章を単語やフレーズに分解し、それぞれ対応する外国語の単語やフレーズに移行後、合成し文章で出力してきた。一方、GNMTの翻訳は、入力された文章を丸ごと読んで翻訳する。入力された特定の単語について、人工知能は学習に使用された膨大なデータのなかから適切な言葉を見つける。
Googleはこの日、ウェブとモバイルで展開するグーグル翻訳で、英語と中国語の翻訳サービスを提供開始しており、近いうちに他言語にも対応すると発表した。
中国語サービスから開始したことについてGoogle側は、インド―ヨーロッパ間の翻訳に比べ、中国語の翻訳が最も難しいとしたうえで、これを実現する過程で体得したノウハウの活用が、今後の大きなメリットになるからだと説明している。
Googleは、今回の翻訳もまだ人間のそれには及ばず、少なからぬエラーがあると認めた。ただし、ディープランニングをベースにした人工知能の学習経験の蓄積、関連技術などの発展に伴い、完全により近くなると強調した。