記憶のリンクが可能な日も目前!?先進国の脳工学への投資が過熱

ロボティア編集部
ロボティア編集部

ブラジルワールドカップサッカー大会のオープニングセレモニーを引き受けたのは、下半身が完全に麻痺した29歳の青年ジュリアーノ・ピント
ブラジルワールドカップサッカー大会のオープニングセレモニー

またフォーリンポリシーは、脳工学が記憶を操作できる段階にあると指摘する。

例えば、ノーベル生理医学賞受賞者であるマサチューセッツ工科大学の利根川進が、2013年にラットに行った「偽りの記憶」の実験では、実際の衝撃を経験していなくても、その衝撃に伴う恐怖に麻痺するという結果が表れた。一方、それから2年後にスクリップス研究所で行われた実験では、ラットに化合物を与えて特定の記憶だけを削除することに成功している。特定の記憶除去技術は、心的外傷やストレス障害の治療の活用することができると言われている。

このような脳工学研究と実験は、様々な神経関連疾患の治療・予防という医学的目的のために行われているが、軍事的目的のためにも使用することができるとされる。例えば、アルツハイマー病や自閉症の診断のための脳注射の機械は、誰かが頭の中に隠した秘密を読むために発展させることができ、身体麻痺患者のためのロボット装置を動かすことができるBMI技術は、超人的な兵士を生み出すために使用することができる。また、精神退化を防ぐために設計された装置は、敵や味方に新しい記憶を植えたり、既存の記憶をなくすために使用できる。

ミゲル・ニコレリスのブレインネット技術や論理を極端に拡張すれば「二人以上の脳信号を統合したスーパー戦士を生み出すことができる」と、ペンシルバニア大学の生命倫理学者ジョナサン・モレノは主張する。外交と政治史に精通した人物の知識と、軍事戦略に精通した人物の知識、また米国防総省傘下の国防高等研究計画局(DARPA)の技術者のような人物の知識をすべて合わせた人が生まれるのを想像してみよというのだ。これは、まだ空想SF小説の世界のような話であるが、一部の専門家は「現実となるのは時間の問題」とみていると、フォーリンポリシーは伝えている。

米国防総省の先端科学研究・開発を牽引するDARPAは昨年、人間の衝動を検出して、それを抑制する挿入装置の開発に着手した。戦場から帰ってき退役軍人たちの薬物中毒やうつ病を治療しようとするものであるが、この種の技術が“武器化”して、悪意ある者の手に渡る状況はいくらでも想像できる。