「人間はAIで代替できない」訴訟情報解析企業の創始者の意外な見方

「人間は勝訴・敗訴の予測に没頭するのではなく、人工知能の助けを借りて、自分の知識を最大限に活用し、訴訟の争点に集中したほうがよい(中略)人間だけができることに専念する方が望ましい」(ウォーカー氏)

 一方、人工知能の適切な活用は、紛争を解決するのに決定的な役割を果たすともしている。

「人間は過去の予測モデルがあるとき、つまり、当事者間の紛争の結論が明らかだと知ると、不必要な訴訟提起で時間を無駄にしない(中略)人工知能は、裁判官や弁護士など法律家がより価値のある役割を果たすことができるように支援するだろう」(ウォーカー氏)

 訴訟分野に関わらず、人工知能は過去の膨大なデータの中から適切な事例を探し出すという役割をすでに果たしはじめている。今後、人間との共存がどのように進むのか。同分野のトップを行く専門家だけに、その言葉は示唆に富んでいると言えそうだ。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。