インテルが今年12月中に、ユーザーが自作できるドローン製作キットを販売すると発表した。キットには、ドローンの各パーツ、ソフトウェア、3Dカメラ、飛行コントローラがすべて含まれる。
今回インテルは、ドローン自作キット「エアロ・レディー・トゥー・フライ・ドローン(Aero Ready to Fly Drone)」を、ウェブサイトで販売する予定。正確な価格は発表されなかったが、約600ドル台半ばになる見通しだ。自作キットとしては、少々お高い感も否めないが、インテルが開発する完成機体のドローンに使われる部品が、そのまま含まれるという。
ドローンの仕様は最近、ますます高機能化している。 DJI社のファントムシリーズには、CPUチップと、衝突を避けるための3Dカメラが搭載されている。インテルが販売する自作ドローンキットにも、3Dリアルセンスカメラが付属する。
3Dリアルセンスカメラは、エアロコンピュートボード(Aero Compute Board)の中央コンピュータに取り付けられている。インテルは、エアロコンピュートボードを339ドルで別途販売。また、CPU (Atom X7-Z8700 CPU)、LTE通信、802.11acWi-Fi、フライトコントローラなどを含む。さらに、LPDDR3 RAM 4GB、フラッシュストレージ16GB、マイクロSDカード、マイクロHDMIポート、各種アダプタ用コネクタなどをサポート。飛行中の画像認識、ディープランニング作業用に、再プログラミングされたアルテラマックス(Altera Max)10 FPGAも採択した。
飛行時は、エアマップ(Airmap)ソフトウェア開発キットで、機体をコントロールすることができる。飛行に先立ちプログラミングも必要となる。例えばリアルセンスSDKで3Dカメラの画像認識機能をプログラミングするなどだ。つまり、プログラミングさえ正確であれば、組立キットにもかかわらず、物体との距離を認識する高度な技術を実現できるようになるということになる。
組み立てキットを購入すると、北米、ヨーロッパ、アジアの一部地域への発送が可能。米国の購入者にはドローンを飛ばす際の安全上の注意と、管轄機関への登録方法を記したガイドがともに送付される。
以前、インテルは100台のドローンを同時に飛ばす航空ショーを成功させ、世界中から注目を浴びた。最近では、500台のドローンを使った航空ショーを用意していると報じられている。
photo by Intel