トランプの誤算!?…雇用減少の理由は移民ではなく「ロボット化」だった

トランプの誤算!?…雇用減少の理由は移民ではなく「ロボット化」だった

関連ワード:米国 自動化

Written by 河鐘基

Posted date:2016.11.15

 自動車会社ゼネラル・モーターズ(GM)の場合、1970年代には従業員が60万人を超えていた。現在は、その時点の3分1水準だが、乗用車とトラックをより多く生産している。鉄鋼などその他の原材料の製造業を見ても、雇用は1997年より42%減少、26万5000件が消失したが、生産性は38%増加している。デューク大学のアラン・コラード-ウェクスラー(Allan Collard-Wexler)教授と、プリンストン大学のヤン・デ・ロッカー(Jan De Loecker)教授も、昨年の雇用は外国との競争や販売不振で減少したのではなく、新技術の登場のためだと主張している。

 今後、人間の雇用に影響するであろうロボット化=自動化はさらに進むことは確実視されている。米経営コンサルティング会社・ボストンコンサルティンググループは、25個の主要な輸出国で最近2〜3%ずつ成長している産業用ロボットへの投資が、2025年まで毎年10%ずつ成長すると予想している。

 同グループはまた、ロボット1台の維持・運営にかかるコストが、2005年には18万2000ドルだったが、2014年には13万3000ドル、2025年には10万3000ドルまで下がるとも予想。一方、2025年には、人件費が米国22%、日本25%、韓国33%と、それぞれ削減されると推測を示している。

 世界的な新素材開発会社・ケナメタル(kennametal)の米国支社で、CEOを務めるロナルド・デフェオ(Ronald M. DeFeo)氏は、工場の自動化に2億〜3億ドルを投資。従業員1万2000人のうち1000人を削減した。

「生産の自動化で人員削減があった。今後も削減がありえる(中略)会社が望む自動化、人件費の削減が可能だ」(デフェオCEO)

 彼はまた、ドイツのケナメタル支社工場を訪問した際、スタッフが製品をいちいち包装するのを見て、ドイツと北米の工場に1000万ドルをかけてロボットを設置。そのような措置により、コスト削減と、人材の削減・再配置がともに進行していると説明する。

 とはいえ、中国などのアジア各国で人件費が上昇したため、ロボット技術を利用した工場の自動化が拡散し、米国の労働者たちが“恩恵”を受けた面もある。米大手企業は、1990〜2000年代に世界各地の低賃金地域に生産拠点を拡大したが、その事業の在り方を再考するようになった。いわゆる“リショアリング”だ。工場の自動化技術が発展することで、あえて人件費が安い中国やアジア地域に拠点を構える必要性が減った。

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参照
pressherald.com
californiademocrat.com