ディープラーニングを越える技術!? 人工知能の最先端「階層型時間メモリ=HTM」とは

ロボティア編集部
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 古典的人工知能は、いくつかの「明確に定義された問題」のみを解決することができる。一方で、自ら学習する能力や、個々の問題に最適化された解決策を提示するには限界があった。

 その後、研究者たちが目を向けたのが人工ニューラルネットワークだった。人工ニューラルネットワークは、最近になって「ディープランニング」に発展した。ディープラーニングの利点は、高速・高性能コンピュータを接続し、膨大な量のデータを学習させることができる点にある。ディープラーニングは、画像分類や翻訳、迷惑メール分類などに優れた性能を示す。

 ただ学習データが十分でない場合に、人工ニューラルネットワークは、優れた実力を発揮できない。データのパターンが相次いで変わるケースも苦手だ。ホーキンス氏は「基本的に人工ニューラルネットワークは、膨大な統計データセットからパターンを見つける洗練された“数学ツール”なだけである」と指摘する。

 そこで、ホーキンス氏らはHTMの研究に重点を置く。ホーキンス氏によれば、人間の脳は、「SDRs」(稀分散表現=sparse distributed representations)方式で情報を再現する。皮質内のニューロンは、互いに複雑に接続されているが、私たちが何かを表示したり、思い出すとき(脳を使う時)活性化されているのはごく一部である。

 そして、記憶は時系列的なパターンの連続である。人間は行動しながら学習する。従って、学習は後を絶たず、継続される。ニューロンも時空間的なパターンを覚えている。いくつかのものを捨てて、いくつかのものはすぐに思い浮かべられるようにできるよう位階を置く。人間のニューロンは、そのように単純なニューラルネットワークよりもはるかに複雑で精巧だ。

「単に一つのニューロンを模倣するだけは、知能を再現することはできない。このような過程を捨て、さらに人間の体に近いアプローチ方法を模索しなければならない」(ホーキンス氏)