AIが障害者雇用を推進させる...米国での医療費削減効果は約2兆円

 ルーダーマン白書の作成に関与したSAFEのCEO兼社長ロビー・ダイアモンド(Robbie Diamond)氏は、運動障害を抱えている自身の娘の介抱体験を通じて実感した、自動運転技術が障害者にもたらす影響について以下の通りコメントした。

「自動運転車両は産業革命以来、最も好ましい変化を社会にもたらし得る。もちろん、自動運転車両のメリットはエネルギー安全上のものに限定されない。先天性の障害をもってこの世に生を受けた方をはじめ、高齢者、軍人など、米国で暮らす何百人単位の障害者の生活の質の向上および雇用率の改善に貢献し得るだろう」(ロビー・ダイアモンド氏)

 さらに、米コンサルティング企業、ガートナー(Gartner)が顧客限定で公開したマーベリック研究(Maverick Research)によれば、音声認識やマシンビジョンなどの新技術が普及することで、障害者ひとりひとりの多様性が尊重されるとともに、それに応じた柔軟なワークスタイルに重きを置く文化が構築され、障害者の社会参加が促進され得るという。

 国連の専門機関である国際労働機関(ILO)が打ち出した予想データを基に、この10年以内において世界各国の障害者の職業的需要が増し、3億5000万人の障害者の就労を可能にする社会が実装されるという見解が示されている。未来における障害者の就労見込率は健常者の就労率と一致することから、実質上健常者と対等な立場で採用試験に臨むことが可能になるであろうと示唆している。

 もちろん、障害者の雇用事情については、国や企業の部署ごとに異なる。「職を奪う脅威としてのAIおよび自動化技術は、障害者が健常者と対等な雇用機会を得ることとは別次元の問題である」と、マーベリック研究に関与したメラニー・ローグ(Melanie Lougee)氏は言う。

大澤法子

記者:大澤法子


翻訳者・ライター。1983年、愛媛県生まれ。文学修士(言語学)。関心分野は認知言語学、言語処理。医療・介護分野におけるコミュニケーションに疑問を抱いており、ヘルスケアメディアを中心に活動中。人間同士のミスコミュニケーションに対するソリューションの担い手として、ロボット・VRなどがどのような役割を果たし得るかを中心に追及。

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