韓国自治体が行政サービスの一部で対話型AIを導入…他サービスでも順次採用

ロボティア編集部2017年2月28日(火曜日)

 韓国・大邱市が、3月から人工知能を採用した住民相談システム「トゥボット」を導入。テスト運用すると、27日に明かした。トゥボットは、地域住人がスマートフォンやコンピュータを通じてパスポート業務に関する質問をすると、人工知能が学習した情報を利用して自動的に相談に応じてくれるシステム。なお、人工知能を使った相談システムの自治体導入は、韓国初となる。

 トゥボットの正式名称は「大邱市・トゥドリソ・チャットボット」。なお、“トゥドリソ”は、韓国語の地方方言で、キーボードなどを「叩いてください」もしくは「押してください」の意味となる。

 トゥボットは、パスポートに関する住民相談のなかから、最も多かった約1000個の質問を学習。市民が問い合わせると、約1秒以内に文章を理解し、学習した情報から推論して、最適の正解を生成し、自動的に回答を処理する。

 現在のテスト段階では、トゥボットは定型化された簡単な質問について具体的に答えを提示することに成功している。ただ質問の内容が複雑になると「人間の担当者レベルで回答することが難しい」というのが、大邱市側の率直な見解だ。

「市民は24時間にわたる行政サービスを要求・期待する傾向がある。(行政サービスの)質を高めるためにトゥボットを導入した(中略)回答の正解率を向上させ、複雑な仕事まで処理できるよう継続して努力する」(大邱市キム・スンス市長)

 大邱市は今後1カ月間、トゥボットを試験運用した後、機能を補完し、誤答率を減らしていく方針だという。加えて、コールセンターへの相談が多い、自動車登録、水道、交通分野にもトゥボットを順次採用していく計画だ。

photo by 韓国・大邱市