8日、航空機メーカー・エアバスが、陸空両用の自律走行移動マシン・ドローンカー(drone-car)のコンセプトを、ジュネーブ・モーターショーで公開した。エアバス側は、そのドローンカーの呼称を「ポップアップ(Pop.UP)」もしくは「ポップアップシステム」と名付けている。
ポップアップの車体は、自動車の搭乗スペース部分「カプセル」、ドローン部分、そしてシャーシ部分で構成されている。カプセルは長さ2.5m、高さ1.4m、幅1.5m。ドローンは横5m、縦4.4mの大きさだ。
ポップアップのコンセプトの全体像としてはまず、アプリなどを使って自動運転車として配車。車体部分が離陸地点に到着すると、上から舞い降りてきたドローンと連結し、飛行体勢に入る。ドローンがカプセルを運び乗客を降ろすと、自動車は充電ステーションに帰還するという仕組みだ。加えて、人工知能を利用してユーザーの特性や経路を考慮。最適な移動オプションを定める機能も想定されている。
エアバスが公開したビデオでは、女性が自宅でモバイル機器を使いカプセルを呼ぶ。女性は車に乗って駐車場まで移動。そこにはドローンが待ち受けていて、カプセルを持ち上げ、目的地まで向かう姿が描写されている。
なお、ポップアップは鉄道上の移動も想定されている。現在、イーロン・マスクCEO率いるスペースX社は、時速1200㎞で走る次世代交通システム「ハイパーループ」を構想しているが、ポップアップは、それら新時代の鉄道型移動手段との連携を計画しているようだ。
現在、エアバスが構想しているポップアップのような自動化されたアーバンモビリティを、次世代移動システムのトレンドにしようという動きが、各企業や研究機関によって盛んになりはじめている。仕掛ける側からは、「交通渋滞の緩和」など、社会にとって有意義なメリットをもたらすとの主張が相次いでいる。
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