空を飛んで通勤・通学!?エアバスの都市型飛行タクシー構想とは

ロボティア編集部2016年9月26日(月曜日)

 航空機メーカー・エアバスが、都市内の渋滞問題を解決するため、無人飛行タクシーを現実化する計画を立てているという。「バハナ・プロジェクト(Project Vahana)」だ。この飛行タクシーは、乗客と荷物両方を輸送することを念頭に置く。

 シリコンバレーにあるエアバスのA3部門によると、飛行タクシーのデザインはほぼ終了しつつある。現在では、テスト飛行のための開発を進めているという。プロトタイプは2017年にテストが行われる計画で、10年後に構想を実現することを目標にする。

 プロジェクトリーダーのロディン・リアソフ(Rodin Lyasoff)氏は、2017年までにバハナ・プロジェクトのテスト飛行が可能な理由として、バッテリー、モーター、航空電子工学の基礎技術など、必要な技術的要素がほとんど出揃ったからだと明らかにしている。一方、開発チームが現在直面している最大の技術的課題は、総合的な障害物回避システムの開発だという。これは、Googleの自動走行車が道を走るのと似ているが、さらにそのシステムを飛行機に最適化する必要がある。

 エアバス側は自動飛行機の需要が高くなれば、最終的に全世界で数百万台が導入される可能性があると見ている。もちろん、実現までには障壁がある。エアバスが構想するような都市型飛行機は、どの国でも飛行が許可されていない。

 それでも、エアバス内の複数の部門が無人飛行機関連の開発を進めている。例えば、スカイウェイズ(Skyways)は来年、シンガポール国立大学のキャンパスでドローン配送テストを実施する。またシティエアバス(City Airbus)は、スマートフォンアプリで操作することができる自動運転ヘリコプターのコンセプトを設計している。

エアバス_シティエアバス_アーバンモビリティ
photo by airbus

 エアバスCEOトム・エンダース(Tom Enders)氏は、「(自分は)スターウォーズの熱烈なファンではないが、都市の上空を飛行車が行き交う未来は途方もない話ではない。遠くない将来、私たちはスマートフォンを利用して飛行タクシーを予約する日が来るだろう」とコメントしている。

 エアバスはバハナプロジェクトの最終的なコンセプト、つまり相乗りできるドローンや、無人タクシーをつくる構想をシティエアバス(CityAirbus)と命名する。サービス利用者は、スマートフォンで予約。近くのヘリポートで、他の乗客とともに無人機に搭乗する。エアバス側は、複数の乗客が相乗りすれば料金を下げることができ、現在の公共交通機関に、近い手頃な価格でサービスを提供することができるものと期待している。