AIブームに沸く医療業界...韓国の実情に見る「人工知能への不安と責任問題」

AIブームに沸く医療業界...韓国の実情に見る「人工知能への不安と責任問題」

Written by Pocca

Posted date:2017.07.27

 加えて先月、米臨床癌学会(ASCO)が発表したワトソンを活用した治療成績も芳しくない。 大腸がんに対する医師の治療法とワトソンが診断した治療法が一致した確率は73%と比較的高かったのだが、転移性大腸がんや進行性胃癌などにおいてはそれぞれ40%、49%に止まった。今年初めにワトソンを導入した釜山大学病院が、病院名に「人工知能」という単語を使っていないのも、このような理由からだ。 釜山病院側は「人工知能という単語が、あたかも100%に近い診断精度を連想させる傾向があるため、当クリニックの名前には入れなかった」と説明した。

 いまや、医療現場において人工知能の活用例はさまざまだ。しかし、ここで一つ注目すべきなのは、「人工知能」としてあつかうべきなのか、「人工知能を搭載した医療機器」として扱うのかという区分の問題である。どこまでを人工知能とし、どこからを医療機器とするのか。明確に区別すべきだと専門家らは指摘する。

 韓国成均館医大内科 チャン・ドンギョン教授は、メディア取材に対して次のように話している。

「医療機器として管理されている人工知能搭載型の機器で不具合が発生した時、一次的責任は当然製造会社に問うことができる。また、未然に防げず患者に害を及ぼした場合には、医師もその責任を少なからず問われることになるだろう(中略)しかしこれが医療機器ではなく、人工知能であった場合はどうか。例えば、人工知能ソフトウェアの診断を参考に診察する医師は、人工知能が診断した意見を実際に活用するかどうかを最終的に決断し、その結果に対する全責任を負わなければならないだろう」

 韓国では昨年末、医療用ビッグデータ、人工知能を適用した医療機器に対する許可、また審査ガイドラインの草案を作成。使用目的別に医療機器に当たるかどうかを判断しようとしている。そこでは、疾病の診断、治療、予防、予測目的で診療記録、心電図、血圧、血液検査などの医療情報を分析診断する製品は医療機器に該当するとした一方、単に医療情報を検索する製品は医療機器とは認められないとした。

 例えば、症状や問診から病気の発生確率を予測するアルゴリズムや心電図を通じて不整脈を診断するソフトウェア、脳MRI映像を分析して異常のある部位を判別してくれるソフトウェアなどは医療機器に該当する。一方でワトソンは医学ジャーナル290種、医学教科書200冊をはじめ、1200万ページに達する専門資料を学習した人工知能だが、医療的判断に補助的な意見を提供するという点で医学参考書籍と同じ地位を持つものと解釈され、ひとまず医療機器には該当しないとして整理されている。とはいえば、医療機器かどうかを区別したところで、責任問題まで解決するわけではない。

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参照
edaily
hankyung.com
medipana.com