AIブームに沸く医療業界...韓国の実情に見る「人工知能への不安と責任問題」

ロボティア編集部
ロボティア編集部

 事実、このような人工知能を取り入れた医療機器が、医療現場の画像診断や情報解析のような領域で相当部分を担っている。しかし、今後ワトソンのような人工知能がいかに発展したとしても、人間の医師が医療現場からいなくなる未来は、いまはまだ想像しがたい。今後も人間と人工知能による協業モデルが現実的であり、人工知能の医療現場への進出が本格化する前に、責任の所在を前もって明確に定義する必要がある。

 医師たちの能力に対する不安要素もある。例えば、人工知能が本格的に導入された医療現場は「人工知能に依存しかねない」という指摘だ。人工知能との「協業」に慣れることによって、医師たちは次第に人工知能が提示する判断を無条件に受け入れるようになりやすく、自ら判断する専門家的能力の低下が懸念される。また普段から人工知能に頼るあまり、緊急時の対処能力が低下する恐れもある。

 一方、医療現場でのAI活用は、既存の症例・論文参照や画像認識を使った精密検査などの大量なデータを使った診断や、個人の経験や常識といった先入観を持たずに診断をおこなえることため、誤診防止に資すると評価されている側面もある。また、導入によって医師不足による地方と都市部の医療格差、医療費問題などの社会問題や、患者が受け待ち時間ストレスの緩和など、多方面で問題を解決してくれるとの期待も大きい。

 日本の成長戦略にとっても欠かせない領域となっているだけに、今後、世界の議論や法整備の行方も併せて見守りたい。