中国でAI裁判官が間もなく登場!? 判決を補助し業務効率化&公正性向上に期待

ロボティア編集部2017年8月2日(水曜日)

 中国の司法当局関係者が、裁判における判決の補助ツールとして人工知能(AI)を活用していく方針を示した。これは、人工知能が捜査や司法判断に役立つとの判断によるもの。現地メディアが詳細について報じている。

 中国・最高人民法院司法改革企画処のホ・パン(何帆)処長は、杭州で開かれた「法律・科学技術リーダー国際会議2017」で、「AI裁判」の可能性を示唆。「人工知能が訴訟手続と裁判官の判決の様相を変化させる」とした上で、「効率的な判決で公正さが改善されるだろう」と説明した。また「これまでは裁判官が経験に依存し、法律を解釈することで判決をくだしてきたが、人工知能の補助を受ければ、客観的に推論して判決をくだすことができる」と付け加えた。

 なお最近、上海で行われた裁判では「206プロジェクト」と呼ばれる犯罪事件の捜査補助システムが使われたりもした。同システムは、警察官に統計に基づいたデータを提供。容疑者を逮捕しようとする警察官に、AIシステムが自動的に「重要な証拠が十分か否か」「証拠に欠陥はないか」などを知らせる機能を持つ。また裁判官が判決書を同システムに入力すれば、自動的に裁判所と上級裁判所の判決の結果を比較。裁判官同士が判決について討議できるように支援する。

 上海高級人民法院が明らかにしたことよると、206プロジェクトシステムは、5~6月に60の事件の証拠2万個以上を収録した、2000件以上の証拠案内を提供。48件の証拠欠陥を発見したという。

 清華大学法学部のチャン・ジョンウェイ教授は「人工知能を司法制度に適用すれば、司法の定義と公正性を高めることができる」としつつも、「司法手続きを支援する人工知能は、司法判断を決定、もしくは支配してはならず、どこまでも補助的な技術にとどまるべき」と意見を述べている。

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