米ナスダック証券取引所「人工知能で違法株取引を摘発する」

米ナスダック証券取引所「人工知能で違法株取引を摘発する」

Posted date:2016.06.02

ナスダック
photo by nasdaq.com

 米ナスダック証券取引所(NASDAQ)が、違法株式取引を摘発するため、人工知能をベースにした監視システムをテストしていると、1日、ウォールストリートジャーナルが報じた。

 ナスダック証券取引所は、認知コンピューティング専門企業・デジタルリーズニング(Digital Reasoning)と連携しAIシステムを構築。テストを行っている。デジタルリーズニングはこれまで、米国防総省および司法当局に協力し、テロリストの追跡、児童人身売買捜査などに対して支援を行ってきた。

 今回、証券取引所の監視システムに人工知能が組み込まれるということになりそうだが、一体どういうことなのだろうか。現在、ナスダックでテスト中の不正株取引監視システムは、トレーダーたちの取引履歴と社内メッセンジャー、電子メール、会話履歴などを比較・分析する。その会話の文脈などを解析し、インサイダー取引や株価操作、その他の犯罪を事前に補足できるように設計されているという。

デジタルリーズニング1
photo by Digital Reasoning HP

 金融コンサルティング企業・セレント(Celent)のシニアアナリストである、アンシューマン・ジャスウォール(Anshuman Jaswal)氏は、「2008年のグローバル金融危機から学んだ教訓は、注視していない信号が多かったということ(中略)トレーダーの会話履歴は、これまでのシステムが捕捉できなかった問題をのぞき見る“窓”になることができる」と述べている。

 なお、現行の監視システムもトレーダーが交わす会話を監視している。ただし、主にキーワードに焦点が当てられているため、リスクを知らせる“微妙な信号”を捕捉することができない。むしろ、的外れな警報を鳴らすケースが少なくないという。証券取引所の関係者は「現行のキーワード検索は、単語が使用されている前後の文脈を把握していない(中略)AIシステムが導入されれば、トレーダーの頭の中で何が起こっているか示すことができる」と断言している。

 証券取引所は今回、内部で運営する取引データ分析プラットフォームに、電子対話・言語を徹底的に分析するデジタルリーズニングの機械学習技術を組み合わせて、新しい監視システムを構築した。会話履歴は証券会社と大手銀行から受け取る。金融企業は関係法の規定に基づき、株式トレーダーと、その他の従業員の電子通話を記録し保管する必要がある。

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参照
wsj
digitalreasoning.com