中国がレーダーに映らない「超小型スパイドローン」開発...飛行高度は海抜25㎞以上

ロボティア編集部2017年11月5日(日曜日)

中国がレーダーに映らない「超小型スパイドローン」を開発したと、中華系各メディアが報じた。報道によると、中国科学院広電研究院は海抜25㎞の高度で飛行可能な超小型スパイドローンを開発。先月、内モンゴル自治区で成功裏にテストを終えたという。

同テストが注目される理由は、海抜20㎞以上の大気圏が、スパイドローンにとって“未開拓”の領域だったからだ。その高度は空気が薄く飛行体を飛ばすのが難しい上に、気温が非常に低く、電池など電子部品の動作不良を招くことが多いとされてきた。

これまで開発されたドローンのなかで最も標高の高い場所で活動していたのは、米ノースロップ・グラマン社が開発した「RQ-4グローバルホーク」だった。飛行可能高度は海抜19㎞だ。一方、中国科学院は超小型ドローンを熱気球に搭載することで高度25㎞まで浮上させ、電磁波を利用して時速100㎞の速度で飛行させることに成功したという。

中国の新ドローンは自律的に方向および高度を変えながら航行し、100㎞先にある目標地点までに飛んで行くことができる。そして機体に搭載されたセンサーが検出した情報を、地上にある基地まで送る。

重量はサッカーボール程度に過ぎないとされており、地形計測機器と、敵の活動を検出する電磁信号検出器が搭載されている。しかも靴の箱に入るほどサイズが小さく、敵のレーダーに検出されにくいという強みも持っている。価格も1台、数百元と非常に安価だ。開発プロジェクトの関係者は、「ドローンを一度に数百台ずつ、蜂の群れのように飛ばすことを目指している」とし、2020年までに実現するとの見通しを語っている。

なお中国は今年6月、海抜20㎞の高度に15時間滞在しながら早期警報機の役割を果たす、「太陽光ドローン」のテスト飛行にも成功したとされている。一方、米海軍と航空宇宙局(NASA)も、同様の超小型ドローンを使って、敵国の機密情報を収集する試みを始めているとされている。