中国・軍事用ドローン119機「集団飛行」に成功…米軍の記録を抜く

ロボティア編集部2017年6月12日(月曜日)

 新華社(6月12日付)など複数の中国メディアによれば、中国電子科技集団が固定翼ドローン(無人機)の119機の集団実験飛行に成功したと発表した。これは2016年に珠海航空ショーで披露された67機の集団飛行の記録を大幅に上回るもので、かつ米軍が今年1月に発表した、世界最多となる103機のドローン(小型偵察用ドローン「Perdix」)の集団飛行よりも多いとしている。

 実験では、119機のドローンが一斉に飛び立って精密射撃をし、空中で集結したり、チームに分かれてそれぞれ目標に向かって飛行したという。複数機の固定翼ドローンを同時に制御・操作してミッションを遂行する行為は、コプター型ドローンと違って全機の速度・距離を一定に保つのが難しく、相当な技術力を要する。アメリカがこの分野でトップを走っていたが、中国もそれに追いついた形だ。中国メディアは「わずか半年も立たないうちに、米軍の記録を塗り替えた」と賞賛している。

 DJI一人勝ちとなり、民生用・ホビードローンで中国は世界一となったが、軍事用でも徐々にアメリカに追いつきつつある。今年3月にパキスタンで行われた軍事パレードでは、中国製の無人機CH-3(彩虹3、Rainbow3)の編隊飛行がお披露目され、無人機が登場した世界初の軍事パレードとして注目された。

 米軍は2025年までにドローンの「集団での全機自律飛行」を計画しているが、果たして中国がこれに先んずることになるのか。要注目だ。

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Photo by China Electronics Technology Group