掃除ロボット「ルンバ」で世界的に知られている米アイロボット(iRobot)が、主力事業のひとつである国防安全保障事業部門を売却すると発表した。また今後は、家庭用掃除ロボットやコネクテッドホームなどの分野に注力する方針が発表された。
売却については、アーリントンキャピタル・パートナーズ(Arlington Capital Partners)に、最大4500万ドル(約52億円)で取引するとの条件で最終的に合意した。
アイロボットは、家庭用掃除ロボット・ルンバ(Roomba)や床掃除ロボット・ブラバ(Braava)を製造している企業として名が知られている。一方で、災害被災地での救助活動や戦場でのナビゲーション、地雷除去ロボット・パックボット(PackBot)など、さまざまな製品を扱っている。
日本の関係者のひとりは「アイロボットがロボットの技術水準を高められた背景には、軍が製品を買い上げる体制があったから」だと指摘している。そんなアイロボットが、国防安全保障事業部門を売却する意味は、決して小さくないだろう。
昨年末の商戦では新型掃除ロボット「ルンバ980」が好調だった。アイロボット会長兼CEOのコリン・アングル氏は「ルンバファミリの売上高は、米国の小売不振が持続する状況にもかかわらず、期待以上の実績を収めた」と述べている。
コリン・アングル氏は、そのような状況を背景に家庭用ロボット市場で大きな成長を期待することができるとも話している。国防安保事業を分離した理由についても、家庭用ロボットやコネクテッドホームの分野に集中する計画からだという。今回の売却は、複数の手続きを経て、数ヶ月後に完了する見込みである。
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