アメリカの航空機開発大手のロッキード・マーティンは9月13日、新たに発射型の小型の多目的ドローン「The Outrider」を発表した。重量は約1.7kgで、翼を収納した状態の機体幅はわずか10cm。一回の飛行で約15km程度の距離を移動することが可能で、空中に2時間程度とどまることができるという。
このドローンの特筆すべきところは、陸海空と様々な環境から発射することが可能なところだ。ロッキード・マーティンが公開した動画によると、戦車や潜水艦、ヘリコプターからドローンが収まった筒が発射される様子が映し出される。陸上や水面、空中でこの筒の中からドローンが発射されるというしくみだ。
機体には高性能のHDTVカメラと赤外線カメラが搭載され、車両や航空機から発射することで即座に周囲の状況を把握できることが可能になるという。映像データは個々のプラットフォームだけでなく、遠く離れた本部や司令システムに即座に伝達される。操作に関しては、人による操縦のほか、完全自律飛行も可能だという。もともとは「使い捨て」を想定していたが、回収可能な機体として開発されることになった。
このドローンが軍事用として想定されており、すでに販売開始されているという。ロッキード・マーティンは具体的な相手を明らかにしていないが、いくつかの国や企業と購入契約を結んだという。同機はロッキード・マーティンと英ワース・リサーチ(Wirth Research)が共同開発し、開発・製造拠点をイギリスにおいているため、アメリカの「武器国際取引に関する規則(ITAR)」に抵触することなく、海外へ輸出することが可能だという。
Photo by Lockheed Martin