英空軍が提言「軍事用ドローンの操縦にプレイステーションで遊ぶ若者を採用すべき」

ロボティア編集部2016年12月18日(日曜日)

 英空軍(RAF)が、中東でIS殲滅戦に導入されているドローン・リーパー(Reaper)の操縦者として、ゲーマーの配置を検討しているとして話題だ。 英ガーディアンは12月9日、RAFがリーパーのオペレータとして、18〜19歳のプレイステーション利用者を選出することを真剣に模索していると報じた。 

 リーパーはシリアなど中東地域の作戦のために使用されているドローン。現在、そのドローンを使った作戦を実行したオペレータに、心理的な圧迫および精神的なストレスが生じることケースが増えている。

 前RAFの作戦司令官グレッグ・バグウェル(Greg Bagwell)航空少佐は、「リモートおよび自律的に運用される武器の使用が普遍化している現実を勘案し、ドローンの使用に関する規制が再編される必要がある」と述べた。

 今年退役したバグウェル氏は、シリアでイスラム国(ISIS)を支援する二人の英国人に対し、2回にわたりドローン攻撃を行うなど、RAFの作戦を指揮してきた。バグウェル氏は、作戦は合法だが、ドローンオペレーターがさらに確信を持って活動できるよう、法を再検討すべきだとしている。というのも、攻撃に対する論議や批判が高まると、オペレータの一部が合法的だということを絶えず繰り返し証明する必要に迫られるためだ。バグウェルは「ベッドの中で、プレイステーション(PS)をしている18〜19歳の若者を、リーパーの作戦に参加させることができるかどうか、真剣に検討しなければならない」と述べている。

「リーパーの偉大な管理者になるためには、3000マイル離れていても状況を3次元的に解析することができなければならない(中略)心の中に3次元のチェスがあり、さまざまなチェスの駒にどのようにターゲットを見つけ、(攻撃を)実行させるかという視点を理解する必要がある」(バグウェル氏)

 リーパーは、イラクとシリアにいるISISに対する空襲作戦を、3分の1以上担ったとも言われている。一方、軍合同司令官であるリチャード・バロン(Richard Barrons)将軍も、ドローンを規制する法案を再考すべきと主張する。

「敵が私たちより先に動く前に、ロボット工学、自律システム、人工システムの組み合わせにより、機械が人を殺す可能性がある将来に備えなければならない(中略)これは空想科学ではない。敵そのような能力を備えるまで、それほど時間はかからないだろう(中略)したがって、私たちはいくつかのルールをつくる必要があり、それらがいつ適用されるかオペレータが明確にわかっている必要がある」(バロン氏)

 キャメロン首相が発表したところによれば、2015年8月には、シリアへのドローン空襲により、21歳の英国市民が死亡している。その他にも、英国人とベルギー人、合わせてふたりが死亡していることも分かっている。

photo by U.S. Air Force