人間と人工知能(AI)がじゃんけんしたら、どちらが勝つのだろうか。また勝率はどうなるのだろうか。韓国では、そんな誰もが気になる疑問を解消すべく、スタートアップが大掛かりなじゃんけん大会を用意した。
AIスタートアップ・パヤは11月4日、ソウル市内で「1000万ウォンじゃんけん大会2017」を開催。なお1000万ウォンは、日本円にして約100万円となる。高額な優勝賞金がかかった、人間と人工知能のガチンコじゃんけん大会である。今回の大会は、まず「人間部門」の参加者100人が争い勝者を決める。そして、「人工知能部門」にエントリーした19チームの勝者と激突。最終的な優勝者(優勝AI)を決めるというものだった。
結果、優勝したのは人工知能ではなく、人間だった。優勝決定戦では、人間部門からエントリーしたチョ・ミンギョン氏(46)が、カン・ヒョンミン氏(26)が開発したAIをくだして優勝を勝ち取った。
戦いは熾烈を極めた。優勝決定戦は7回中4回先勝で決まる形式が取られたが、序盤に先制したのは人工知能だった。あっという間に3連勝したのだ。追い込まれた人間・チョ氏だったが、その後、まさかの4連勝。優勝賞金を見事手にした。
今回の大会を開催したパヤのチョン・ミョンス代表は「人工知能への理解を高めるためにじゃんけん大会を開催した」とし背景を説明。「人工知能部門のエントリー者が、限られた条件の下で、相手のじゃんけんパターンをどのように読み取るかが観戦ポイントだった」とみどころを説明した。
一方、大会諮問の西江コンピューター工学科のク・ミョンワン教授は「人工知能技術を活用したじゃんけん大会は、国内初(中略)人工知能の適用範囲がますます広がっている」と評価を残した
優勝したチョ氏は「人工知能の予選カードを見て、グー・チョキ・パーのどの手をよく出すか探った(中略)自分のパターンを維持したことが逆転優勝に繋がった」と勝利の秘訣を伝えている。なお準優勝者のカン氏は、ランダムにじゃんけんをの手を出すアルゴリズムを開発し大会にのぞんだ。
なお今大会を企画したパヤは、AIで金融市場の価格パターンを分析し、クレジットカードのポイントや、少額で投資体験ができる「ファイナンシャルスナック」というサービスをスマートフォンアプリで提供している。 2015年11月に設立された企業で、産業通商資源部のR&D課題を通じて商用化に成功した新韓カードなど、金融機関と連携したサービスを間もなく発表する予定だ。
チョン代表は「将来のとある出来事を予測するためには、過去の確率情報、データを分析しなければならない(中略)技術を金融投資以外のゲーム、エンターテインメント、世論調査など、日常生活の様々な分野に拡大していく計画だ」とした。
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Photo by パヤ