エレベーターに自動で乗り降りするサービスロボットを「採用」…三菱電機の中国法人

ロボティア編集部2018年1月16日(火曜日)

三菱グループの中国法人「上海三菱エレベーター」の上海本社で、中国・YUNJI Technology(以下、YUNJI)社が開発したスマートビジネスロボット「ルーン(RUN)」を“採用”した。ルーンはスタッフのためにモノなどを運搬するサービスロボットである。

ルーンはエレベーターとも通信し、人間の手助けがなくともひとりで機体に乗り降りすることができる。というのも、YUNJIが開発した「ロボット・エレベーターIoT接続モジュール」を搭載したエレベーターが、「スマートエレベーター」に変身。サービスロボットとコミュニケーションをとることで、ロボットの自律移動を促すからだ。

ロボットは安全にエレベーターに乗り降りすることが可能となり、人の邪魔にはならない。ルーンが三菱製のエレベーターに"入社"した後、一部の従業員からは「これまではとても忙しかったので、他の部門の従業員に文書を届けるのに時間がかかった」が「現在は、ロボットが書類を届けてくれるのでとても便利」と、その使い勝手について話している。

エレベーターを乗り降りできる機能は、これまで床だけを移動できたロボットの制約をうち破ることになった。YUNJIは、ロボットが立体空間でより良いサービスを提供できる可能性を模索。多くのテストを重ね、現場でデータを収集・分析・調整し、最適化を進めてきた。

中国エレベーター協会秘書長・张乐祥氏は、メディアのインタビューに対し、「IoTサービスとスマートロボットを組み合わせた場合、今後の見通しが非常に明るく、潜在力も大きい」と述べている。加えて「サービス過程で最も重要なのは、ロボットとエレベーターの制御システムが相互にスマートに接続されていること」とし「ロボット・エレベーターIoTモジュールの登場で、ロボットとエレベーターの疎通が非常に簡単かつ効率的に行われるようになった」と評価している。

一方、YUNJIの創業者・支涛氏は、「今後、YUNJIの研究開発能力を通じて、より多くの企業のロボットがエレベーターに乗れるようにしたい。(中略)スマートエレベーターの発展を図っていく」と今後の決意を語っている。