チベットの飲食店にサービングロボットが登場

ロボティア編集部2020年7月1日(水曜日)

中国・チベット自治区・ラサ市内の飲食店に、サービスロボット(サービングロボット)が初めて導入された。中国メディアによれば、ロボットは訪れた顧客からも人気を博しているという。

飲食店に配置されたロボットは、主に食べ物を台所からテーブルまで運ぶ役割を担う。身長およそ1m20cmで、4つの層の棚がある。棚数は状況に応じて変更することができ、大きさの異なる食器を複数積むことができる。ロボットに搭載されているディスプレイからはメニューをオーダーすることができ、料理が完成するとロボットが指定したテーブルまで運んでくれる。

同飲食店の関係者によると、サービングロボットは上海のロボット企業・キノン(Keenon)が開発した製品だという。同社は独自のSLAM機能と地図構築システムを開発。レストラン、ホテル、医療などさまざまな分野で安定的に稼働するロボット技術を保有する。一方で、エンコーダ(Encoder)、慣性測定装置(IMU:Inertial Measurement Unit)、ライダーオドム(lidar odom)、ライダー(Lidar)、画像モジュール、超広帯域無線通信(UWB:Ultra Wide Band)などの技術を集積。機体位置を精密に認識しつつ、食糧を正確に配ぶことができるシステムがロボットの動作を制御する。

ロボットは人的コストの削減にも役立つ。基本的に店舗内における70%の食品運搬作業を代替することができる。一台のロボットが一日平均400、ピーク時には600台の棚を運ぶことができる。人間の数に換算すると、1.5〜2人分の働きだ。同地域のスタッフの給料は、福利厚生費まで併せて6000〜7000元ほどだというが、サービングロボットのコストはその半分の水準ですむという。迅速に料理を運ぶため、テーブルの回転効率も高くなるとされている。

Photo by Keenon HP