5月28日、中国の掃除ロボットメーカー・ECOVACSが、上海株式市場に上場を果たした。同社の銭東奇会長は、北京商報のインタビューに対して、「今後ECOVACSは、価格競争ではなく、革新的な技術で健全な軌道を歩む(中略)パートナーサプライチェーン全体で利益を共有して、消費者に恩恵がバックされるようにする」と話している。銭会長はまた、数年以内に中国のサービスロボット市場が爆発的に成長するだろうとも予見している。
中国のサービスロボット産業には発展の兆しが見えており、市場規模も順調に拡大している。データによれば、2016年の中国サービスロボット市場規模は10.3億ドルだったが、今年、17.2億ドルになると推定されている。また今後5年以内の年平均成長率(CAGR)は、28.71%に達する見込みで、2022年には、47.2億ドルの市場規模を形成するとされている。
なお掃除ロボット分野においては、オンライン市場シェア48.8%、オフライン市場の51.9%をECOVACSが占めている。
銭会長は「中国のサービスロボット普及率まだ一桁にとどまっている(中略)米国の普及率も16〜20%だ」としている。なお洗濯機の普及率は90%を超えているが、これに対し銭会長は、「人々が服を洗濯することを望んでいないのと同様に、掃除もしたくないと考えると、今後2〜3年がまさに市場の爆発的な成長期」と予想した。
中国国内メディアによれば、中国市場で流通しているサービスロボットの数はまだそれほど多くない。市場全体を見たとき、まだまだ類似したエントリーレベルのサービス製品があふれている状況である。
ECOVACSの主力商品は、サービスロボットと洗浄用小型家電だ。同社は、今回の株式公開を進めながら、「家庭用サービスロボット」「ロボットインターネットエコシステム」の両コンセプトでグローバル市場進出を目指すとした。銭会長は「3年以内に売上高60億元を達成するという目標を持っており、家庭用サービスロボット事業において、ロボット、インターネット、グローバル化という3つの戦略に焦点を当てる」と話している。
ECOVACSは「ロボットインターネットエコシステムプロジェクト」に2.69億元を投資している。同プロジェクトではアプリ開発、ビッグデータセンター建設などを進め、室内3D環境の認識、音声認識、顔認識、マシンラーニングなどの6つの研究ターゲットおよびその方向性も設定した。銭会長は、今後プロジェクトを通じて、ユーザーと家庭用サービスロボットを相互に接続し、ロボットがさまざまな家庭内のデータを収集する役割を果たせるようにするという目標を掲げている。
Photo by ecovacs HP