中国の大学関係者が連携して、人工知能(AI)の専攻開設を要求し、異例とも言える合同での提言を行った。
中国青年報などによると、7月10日に北京で開催された「AI専攻研究討論会」で清華大学、南京大学、西安交通大学など中国内26の主要大学に在籍するAI専攻責任者が集まり、「AI専攻開設建議書」を発表したという。
建議書の概要は、AI人材を育成するため中国全国の大学に「AI専攻開設が必要」というもの。人類社会のスマート化が進み、スマートアプリケーションが各産業に普及するなか、人工知能を担う人材を継続的かつ長期的に養成する必要があり、そのためにAI専攻の開設は急務だとした。
建議書は、「AI専攻の早急な開設」の他にも、「積極的な産学研協力モデルの構築」、「産業界との連携」などが必要だという内容を盛り込み、学生の創造力と創業意識を高めるべきと強調した。
中国の大学のこのような主張は、中国政府が発表したAI教育の拡大方針に沿うものだ。中国・国務院は昨年、「次世代AI発展計画」を発表。「人工知能の競争力を強化するため、AI専攻を開設しなければならない」という趣旨の方針を示して。今年4月には、中国教育部が、「大学のAI技術革新行動計画」を発表。国家と地域産業のためにAI関連専攻の開設を必要とし、AI領域の人材育成能力を高めなければならない」と要求した。
近年、中国の大学ではAI専攻および研究室の開設がブームになりつつある。中国宇宙航空大学の調査によれば、中国内の名門大学27校のうち、25の大学が今年AI専攻の開設を申請した。教育部が今回の専攻開設を許可した後、中国の大学のAI教育が本格化していくものとみられている。なお西安交通大学は、今年正式にAI創業者コースを開設。南京大学も、今年3月にAI学部を開設している。
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