インド物流ロボット大手・グレイオレンジが米国進出に意欲

ロボティア編集部2018年9月3日(月曜日)

インド系物流ロボットメーカー・グレイオレンジ(GreyOrange)は、米ジョージア州アトランタに本社を設立。50人の新入社員を採用し、米現地の製造施設向けに740台のロボットを用意する計画だと発表した。またマサチューセッツ州ボストンにR&Dセンターを開設。競争力を高め、今後3年以内に追加で2万台のロボットを生産する目標を掲げた。

グレイオレンジCEO・Samay Kohli氏は自社について、世界最大のサプライチェーンロボット企業であり、柔軟な自動倉庫を運営するロボット技術のグローバルリーダーと強調。米市場への進出に意欲を見せている。

今回、米国に持ち込まれるロボットのひとつは、今年3月に発表された「バトラー・ピックパル」(Butler PickPal)である。コンピュータビジョンと6軸ロボットアームで、箱、ボトル、真空パッケージなど重量最大約4kgをピックアップすることができる。倉庫内スタッフと協業して処理できるタスクの量は、1時間当たり500〜600件とされている。もうひとつは、在庫管理コードを認識できる高速包装ロボットの「リニア・ソーター」(Linear Sorter)だ。こちらは8月にインド・マハーラーシュトラ州(Maharashtra)にある流通センターに配置されており、1500個のスタイル、8000種類以上の衣料品を処理しているとされている。

グレイオレンジは主にサプライチェーン管理に重点を置き、輸送中に在庫10〜15%を削減できるとする。Kohli氏は、ロボットが全体的な生産性を向上させ、在庫の無駄を最小限に抑えることで、クライアントは自社の収益を向上できると説明している。

グレイオレンジは2011年に設立され、シンガポール、インド、日本、ドイツ、アメリカに支社を置く。タイガーグローバルマネジメントとブルーム・ベンチャーズなど投資家から3500万ドル以上を調達し、現在、250人のR&Dチームを含めて従業員数は450人となっている。競合企業としては、ロサンゼルスに拠点を構える「インビアロボティクス」(inVia Robotics)、クロアチアの産業用ロボットスタートアップ「ギデオン・ブラザーズ」(Gideon Brothers)などがある。

Photo by GreyOrenge HP