韓国で普及するスマートヘルスケア…医療費の大幅削減でも期待

韓国で普及するスマートヘルスケア…医療費の大幅削減でも期待

Written by Pocca

Posted date:2018.10.09

2014年にソフトバンクが開発した世界初の感情認識ヒト型ロボット「ペッパー(Pepper)」も、福祉施設や療養施設で活躍の場をますます広げている。高齢者たちの話し相手をしながら、健康診断を行い、体調面を分析。健康状態を管理するカウンセラーとしても活動する。また、「認知症対策」や「IT教育」など、それぞれの目的に適した様々なPepper用アプリも登場し、ますます機能性がグレードアップしている。例えば、認知症患者をサポートするPepper用アプリ「ニンニンPepper」がある。「おはよう!」とユーザーに声をかける目覚まし機能や、「今日は何曜日でしょう?」と曜日や時間を認識させるような対話をする機能、スケジュールに沿ってユーザーに服薬を促したり、ピルケースを撮影した画像をユーザーの家族に送信したりする機能などを提供するアプリである。

今年8月には、韓国のLG CNSがPepper用アプリ開発キット(SDK)を構築し、ソフトバンクに提供したと発表した。LG関係者は「アンドロイド用開発キットによって、世界のアンドロイド開発者らがロボット用アプリの開発に積極的に乗り出し、ペッパー用アプリがより多く開発されていくのではないか」と期待する。これによって、今以上にさまざまなニーズに合ったアンドロイド用アプリが開発され、そのアプリを用いて、未開拓市場での可能性が見込まれる。

韓国政府は、スマートヘルスケアを積極的に導入した場合、社会医療費は2025年基準で、7000億ウォン(約707億5700万円)以上が削減されると期待している。しかし現状では、個人情報を活用する使用範囲などに関する具体的な基準がないため、医療的な個人情報は、その施設以外の外部機関で活用することがほぼ不可能な状態にある。また、スマートヘルスケアが既存の医療機器と異なり、従来の規制方法の適用が難しいことから、今後も慎重な議論が見込まれていrて”横ばい状態”の長期化が懸念されている。

本稿冒頭で政策支援の強化を主張した食薬処は「病院内で得た医療情報は、外部システムとの連動が不可能なため、病院間でのデータ交換及び共有が行われず、スマートヘルスケア産業が停滞気味になりつつある。なによりもまず、個人情報保護関連法の改善が求められている」と指摘した。開発だけが先走り普及しなければ全く意味がない。セキュリティ対策や現関連法の改善、医療機器認証に対する根拠の確保など、国家主導のもとで行わなければならない環境整備が散在している状況だ。

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