台風の進路をAI=ディープラーニングで予測...韓国科学技術情報研究院

ロボティア編集部2018年11月5日(月曜日)

韓国科学技術情報研究院(KISTI)の研究データプラットフォームセンターが、ディープラーニングを活用した台風進路予測システム「DeepTC」を構築したと28日発表した。

研究者らは、台風の進路を予測するAIを構築するため、気象および気候予測に広く使用されている数値予報モデルの資料を活用した。まず、台風の進路に影響を与える風速と海面温度など、25種類の2次元・3次元気象変数を抜粋。続いて、さまざまな大気状態をシミュレーションし、AIの学習データとして活用した。実験には、2002年、2003年に朝鮮半島に直撃した台風「ルサ」「セミ」、2016年に発生した「チャバ」など50の台風データが使用された。

研究チームは、6時間間隔、最大24時間まで台風の進路を予測する数値予報モデルを設計した。複数のモデルで学習した結果から総合的に分析する「アンサンブル手法」を適用するため、シミュレーション環境に少しずつ変化を加えた5つのモデルを用意した。人工知能はそれら数値予報モデルと、実際の台風の違いも学習した。

結果、人工知能が予測した値(台風の中心の位置)と実際の位置の誤差は、緯度で平均約1.8度、経度で2.1度となった。距離に換算すると約280㎞となる。研究者らは、DeepTCを用いた実験結果の一部を国の研究データプラットフォーム(NRDP)に公開し、一般、また他の研究者らと共有する予定だ。

KISTI研究データプラットフォームセンターのキム・ソンチャン責任研究員は、ディープラーニングモデルを用いた台風進路予測は非常に意味のある手法であると確認したとし、今後、学習データの追加とモデルの高度化を通じて、進路予測誤差をより低減していくことができるだろうと期待感を露わにした。

今回の研究結果は、10月29日から31日まで済州国際コンベンションセンターで開催された韓国気象学会の学術大会で発表されている。

Photo by KISTI