妥協と協力を導き出す高次のAI登場なるか...ディープマインドが研究報告

ロボティア編集部
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Photo by Zoe Holling on Unsplash

AI企業・ディープマインドが人工知能(AI)に「協力」と「妥協」を学習させ、複数の利益関係者の優先事項を最大限に反映した結果を導きださせる努力を続けている。

ディープマインドこれまで、チェス、囲碁、スタークラフト2など各種ゲームで人間のトッププレイヤーを打ち負かすことができるAIを開発してきた。その次の段階として、利益関係者が「ウィン・ウィン」となるための結果を導き出せるAIの設計に乗り出している。そして「ディプロマシー」というゲームにおいて実現した、その新たなAIの成果を報告している。

ディプロマシー(=外交)は、他のゲームのようにゼロサムゲームではない。複数の相手を対象に、共通の利益を推論・調整・妥協することで成果が出せるゲームである。ディープマインドの既存のAIシステムはゼロサムゲームで無類の強さを誇示してきた。ただし、欠点も残る。それは、必ずしも人間が住む現実世界の複雑さを反映していないという点だ。

例えば、混雑した道路を取り巻く交通路線計画や交渉、もしくは顧客との業務を処理する作業はゼロサムゲームにはならない。問題を解決するためには、すべての関係者が腹に落ちる妥協点を探さなければならない。これは、AIにとってみれば利己的、もしくは同じ目的を持った相手との協力のための推論・判断以上に難しいタスクだとされている。

ディプロマシーは、最終的により多くのエリアを所有したプレイヤーが勝利となるが、ゲームの特性上、他プレイヤーと相互依存性があり彼らの動きを予測・調整し交渉することが求められる。

研究チームは、ディプロマシーに関する研究は、信頼と同盟を確立・維持することを巡って発生する困難な問題の解決を含む、他人と正常に協力することができる人工エージェントの開発の道を開いてくれると説明している。また外交だけでなく、ビジネス、経済、物流領域などに適用することができるだろうと説明している。