人間が手を動かさずとも、その視線を感知して絵を描いてくれるロボットが開発されている。英インペリアルカレッジ・ロンドン(ICL)の研究者が、目の動きに沿って絵を描いてくれるロボットアーム(Robotic Arm)を開発したと、英インタレスティング・エンジニアリング (Interesting Engineering)が報じた。
ロボットアームに指示を出す方法はそれほど複雑ではない。例えば、視線を固定したり、まばたきすることで操作することができる。また、始点と終点にそれぞれ視線を向ければ、考えている通りの水平線を引くことができる。同時に、インターネットを通じた操作も可能となっている。体が不自由な患者が、ベットからアームを動かすこともできる。
研究を率いているアルド・ファイサル(Aldo Faisal)教授は、「人体の延長線上で、日常生活に使える腕を作ってみようという考えから研究を開始した」と話している。同技術は、腕や手を多用する一般人や、障害のある人たちにともに役立つ見通しだ。また、人間が立ち入ることができない場所での作業にも、威力を発揮するものと見られている。
ちなみに、アルド・ファイサル氏は下記の動画の中で「ヒンドゥー教のシヴァ神をイメージしてみてほしい」と話している。宗教的な着想が科学技術に影響を及ぼしているという点が、いささかユニークではないだろうか。