国際宇宙ステーション(ISS)で、“美女”ロボットの活躍を目の当たりにする日がくるかもしれない。ドイツ人工知能研究センター(German Research Centre for Artificial Intelligence)と、ブレーメン大学が開発しているヒューマノイドロボット・アイラ(AILA)が、その有力候補として浮上している。
両団体は、「ベスマン(Behavoir for Mobile Manipulation)」という名のプロジェクトで設計、開発が進められている美女ロボット・アイラを公開した。アイラは仮想ISS内で、人間が機器を操作するように手を使い器用に作業する。行える動作(degree of freedomn=直線運動、回転運動)の数は32に及ぶ。
同プロジェクトで重要な課題のひとつとなったのは、アイラを人間の“訓練”させるという点だった。ここには、人間の動きを真似させるなど、機械学習技術を通じた教育が含まれる。操作者がまず見本を示し、アイラはその動作を見習って行動することになる。
アイラの頭には物体を立体的に認識するためのカメラ(プロシリカGC780C)が2台搭載されている。また、胸部には短距離レイザースキャナーが、また腹部には飛行時間式カメラがそれぞれ備え付けられている。
ISSでは多くの科学実験が行われており、課題を継続的に処理しなければならない。もしロボットが単純なタスクを担うことができれば、宇宙飛行士たちはより直感力が要求される作業に集中できるようになる。宇宙飛行士は、筋肉や骨密度の劣化を防ぐために一日に少なくとも2時間の運動をこなす。
加えて、宇宙ステーション外での作業や、メンテナンス作業も要求される。ロボットが一部の仕事を引き受け、クルーが時間をより有効活用できるようになれば、宇宙関連の研究にも大きなプラスになるはずだ。