上海東方衛星放送が、朝の生放送ニュース番組「看東方」に人工知能「小氷(シャオビン)」を気象リポーターとして採用したと、騰訊デジタルが25日に報じた。小氷は、マイクロソフトがスマートクラウドとビッグデータ技術を用いて開発した人工知能ソフトウェアだ。
同日、小氷は冬至であることに言及し、「明日は少しスモッグが出るのでスケジュールを取るのはやめましょう」と天気を伝えた。小氷の設定は17歳。かわいい女の子の声でデビューし、自身のウェイボー(微博・中国版ツイッター)アカウントにはすでにファンを従えている。
小氷の声は他のどの機械音よりも人間の声と似ているという。言語を使用する歳の自然度は5点満点中4.32点で、人間の平均4.76点よりも若干低い水準まで達している。
小氷は気象状況と予測、ビッグデータ分析を通じて自ら学習することも可能。リアルタイムで気象を分析し、自然なコメントまで話すことができるようになっている。また、マイクロソフトの感性知能(EQ)技術も備えており、番組MCを務める人間と簡単な会話もできる。
この日、看東方のMCも笑みを浮かべて、「今日はニュース番組の進行を引き受けたが複雑な心境。AIロボットが私たちの飯のタネまで奪うのでは」と話した。
上海メディアグループ(SMG)のTVニュースセンター主任・宋炯明氏は「小氷をすぐに人間のMCと置き換えることはできない」とし「ただし、膨大なビッグデータ分析能力を使うことで、人間のアシスタントの役割を果たすことが増えるだろう」と述べた。