飛行も潜水も自由自在...米ラトガース大学が水空両用ドローンを開発

ロボティア編集部2016年1月8日(金曜日)

 米ラトガース大学(Rutgers University)のザビエル・ディエス(Javier Diez)教授が開発したドローンは、8つのプロペラを活用し、空はもちろん水中まで自由に航行することができる。

 ディエス教授が開発したドローンは、水面でプロペラを止め水中に下降する。水中では、潜水艦のスラスターのようにプロペラを活用して水の中を遊泳。その後、再び上空に浮上することもできる。

 水空両用ドローンはその特性を生かしさまざまな用途に活用されることが期待されている。例えば、海で行方不明者が生じるケース。上空から海を調査した後に、水の中に入って行方不明者を追跡することができる。またタンカー座礁時に油が漏れた範囲を上空から確認するのと同時に、潜水して汚染状況を把握することもできる。

 現在、米海軍研究所がこのラトガース大学のドローン開発を支援している状況だという。同ドローンを軍事用途に転用すれば、水中地雷の調査および除去に活用できる可能性がある。また、潜水艦に配備しておいて、水面に上り敵の船体を探査し、ふたたび潜水艦に帰還するというような情報機密収集タスクにも使用できるとされている。

 ラトガース大学研究チームは、これまで水中でのコントロールのために有線接続方式を使用してきたが、今後は超音波を使用した無線コントロールも可能としている。2016年夏に開発が完了する計画であり、完成されたドローンには音波センサーやナビゲーション用カメラも追加される予定である。