中国国営メディアが、「スターウォーズ」(宇宙戦)で尖兵の役割を果たすであろう中国製宇宙ロボットが完成段階にあり、近いうちに宇宙空間での性能実験に乗り出すと報じた。
中国人民解放軍の機関紙・解放軍報は5日、「宇宙戦の先鋒:宇宙ロボット」という記事で、「宇宙ロボットがスターウォーズの先鞭を切った」としながら、「中国は同分野の研究開発で他の宇宙強国に比べて見劣りしない」とした。
解放軍報は、昨年末に宇宙戦とサイバー戦を担当するため創設された、中国戦略支援部隊の役割に焦点を当て、中国が近いうちに宇宙空間で宇宙ロボット技術を披露すると予想している。
中国は米国の宇宙戦の脅威に備え、1990年代から宇宙ロボット開発に乗り出し、最大の障害となっていた大型宇宙ロボットアームの動作環境試験に成功したという。現在は、宇宙空間でのテストを待つ状態だと伝えられている。
米国は1999年に地球の軌道空間で作業するロボット製作プロジェクトに着手しているが、これに対して中国国内では衛星や軍事的な安全が脅かされるのではないかという懸念が提起されてきた。1957年に旧ソ連が人類史上初の人工衛星を打ち上げた後、地球の軌道上に各国が打ち上げた1000余りの衛星が飛び回っている。現在、宇宙空間は新しい軍事境界線として熾烈な競争の対象となった。
中国の衛星は140以上。これは米国に続いて二番目に多い数だ。しかし、技術的な遅れにより、宇宙戦が勃発した際にその機能をすべて発揮できないという限界にぶつかっている。宇宙戦の明暗を分ける、人工衛星の軌道変更技術で出遅れているためだ。
宇宙ロボットは、軌道を周回している衛星に燃料を補給し、自由な軌道変更を可能にしたり、衛星の寿命を延長させる役割を果たす。その他にも、衛星の周りに接近して故障した衛星を修理したり、防御能力がない敵国の衛星に接近、ロボットアームを使用して破壊する攻撃能力も保有している。
米国やロシアなど、いわゆる“宇宙強国”は衛星攻撃用武器の開発・実験に乗り出しているが、現在のミサイルには上空500㎞以下の衛星のみ迎撃することができる。
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