カナダ・オンタリオ州警察がドローンを積極的に導入

ロボティア編集部2015年8月18日(火曜日)

ドローン先進国カナダでは、警察によるドローン導入が着々と進んでいる。
北東部のオンタリオ州警察(Ontario Provincial Police、以下OPP)は現在、車の事故、犯罪現場を調査、さらに行方不明者の捜索にドローンを使用している。警察担当者は、「ドローンを使用すれば時間と資金を節約でき、より多くの詳細を得ることができる」と話す。OPPの捜査官マーク・アンドリュースは、「リモート制御されたドローンが周囲の写真を収拾、保存」する能力を高く評価した。

「ドローンは、交通事故が起こった際に、まだすべての車両がその場にある状態を3D画像で提供してくれる。私たちはその画像を、普段地上で行っているような測定や捜査に使うことができる」(マーク・アンドリュース)

OPPは現在、7台のドローンを所有しているが、台数を増やしたいと考えているそうだ。それぞれの値段は$ 60,000ドル(約530万円)と高額。決して安い金額ではない。ただアンドリュースは、ドローンが「数百万人を救う」と話す。その意味は何か。ンドリュース氏は例を挙げて、交通事故で長距離の高速道路が閉鎖された場合、ドローンを利用することで「納税者のコストを軽減できる」と指摘している。

「(ドローンを導入すれば)事故処理を1時間半から15分に短縮できます。上空から接近し、上空から撮影業務をすべてこなし、距離、位置を把握することが可能だからです。また、スキッドマーク(ブレーキ痕)を特定し、調査することもできます」(アンドリュース)

高速道路が稼働しないということは、物流が止まるということである。事故や閉鎖が積み重なれば、経済的な打撃は少なくない。ドローンを利用した円滑な事故処理が普及すればそのリスクを軽減できる。これは、カナダのドローン企業、エリオン社の関係者も主張しているドローン活用法のひとつである。

OPPはまた、緊急時に対応する人たち(警察、消防、救急など)が現場に到着する前の段階でドローンを使用している。実際、危険物を積んだ車両の事故がカナダの都市ケノーラで発生した際に、事前投入した。というのは、危険がないか事前に調べることで、緊急時対応者の安全を確保している訳だ。危険物が爆発する危険性がある場所に、救助要員を送るのは非常に怖い。そこで、ドローンの出番となる。

北東部のOPPはほんの数週間前、スーセントマリー付近で致命的な車両事故があった際に、事故を記録するために同地域で初めてドローンを使用した。また一度は、行方不明者の捜索のためにも使用されたという。ドローンは、約一年の間、主にサウス・ポーキュパンに拠点を置きながら、同地域に配備され。また、もうひとつはバーリーに配置され、一度はスーセントマリーでおきた通称“マリー・クラッシュ”にも使用された。

エクセレンス無人航空機システムセンターのエキスパートであるマーク・モファット氏は、「警察隊が無人偵察機を持っていない場合でも、車両にそれを搭載することを望んでいるし、かなり迅速にそれらを配置することができる」と指摘する。また、マーク・モファットは「私は彼らが法律の側面を解決するまで、しばし様子を見る必要があると考えている」と付け加えた。カナダ運輸省は現在、ドローンの規制を検討している。

「カナダ運輸省が、現段階で規則や規制を施行するのは難しい」(モファット)

モファットはまた、警察が平時の監視のためにドローンを使用すべきではないと付け加えた。アメリカなどの一部の州議会では、ドローンが警察の権力を強化するとして、その導入には慎重になるべきとの意見もある。

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