ドローンと人間がフェンシング対決! 米大学が衝突回避技術を公開

ロボティア編集部2016年4月13日(水曜日)

 フェンシングの攻撃を華麗に避けるドローンの動画(ページ下部)が話題に。ドローンは人間が繰り出すフェイントにも上手く反応しながら、“さっ”と攻撃を避け続ける。まるで、反射神経の優れたボクサーみたいだ。蜂のように刺す訳ではないが、蝶のように舞う姿はとても印象的。

 ただ、この動画の趣旨はドローンにフェンシングをさせようというものではないらしい。ましてや開発者たちがふざけて遊んでいる様子を撮影したものでもないそう。詳細について複数のメディアが報じている。このフェンシングの攻撃を避けるドローンは、ロス・アレン(Ross Allen)氏ら米スタンフォード大学の研究チームが開発した。

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 スタンフォード大学航空宇宙学科で博士課程にあるロス・アレン氏は、もともと高速で移動するロボット(自動走行車、ドローンなど含む)の障害物回避技術を開発するエキスパート。なかでも、小型ドローンの障害物回避技術を重点的に研究してきたのだそう。その研究成果を試すため、今回ドローンとの“フェンシング対決”に臨んだそうだ。

 なお、この回避技術は、ドローンに装着されたセンサーが、空間データをコンピューターにリアルタイムで送信。そのデータを再びドローンに戻すという形で実現したという。加えてドローンには機会学習の技術が採用されており、今後、ビジュアル、レイザー、超音波など各センサーが搭載されれば、衝突事故を起こさない配達用ドローンが実現されるのではないかと期待されている。詳しい技術解説については、スタンフォード大学が公開している「A Real-Time Framework for Kinodynamic Planning with Application to Quadrotor Obstacle Avoidance」を参照してほしい。

photo by stanford university