セキュリティ企業「トレンドマイクロ(Trend Micro)」が、ミラノ工科大学(Polytechnic University of Milan)と協力し「悪党ロボット(Rogue Robots)」という報告書を発表。産業用ロボットがハッキングされる危険性について警告した。
同報告書の概要のひとつは、2019年までに全世界で260万台の産業用ロボットが設置・運用されると予想されるなか、多くの機体がウイルス感染やハッキングに見舞われる恐れがあるというもの。産業用ロボットがハッキングされる事態が広がれば、ロボットを導入した産業全体の生産性低下に繋がる恐れがある。また、人間と協業するタイプのパートナーロボット(コ・ロボット)徐々に増加するなかで、職場の安全が脅かされる可能性があるとした。
トレンドマイクロの報告書はまた、ハッキングによって産業用ロボットに認知することができない変化が発生した場合、製品の中に不良品が混入する可能性があるとも警告した。ハッカーが産業用ロボットハッキング=人質にして、“身代金”を要求するというような未来像やバッドエピソードも、決してないとは言い切れないと主張する。
インダストリー4.0の推進などでみられるように、世界各国の工場で稼働する産業用ロボットに、インターネットが接続される局面は今後も増え続けるだろう。企業にとっては、定期的なチェックやセキュリティ対策の拡充が急務となってきそうだ。
photo by trend micro(via youtube)
【関連記事】>>>ドローンを「ハイジャック」するイカロスシステム公開
【関連記事】>>>ランサムウェアがロボットをハッキングして人間に危害!?…米セキュリティ会社が警鐘
【関連記事】>>>新たに20個以上の無線接続ネットワークが必要!? 「スマート家電」普及で見えた課題