英空港で旅客機とドローンが衝突、米では”近接遭遇”の報告多数

ロボティア編集部2016年4月18日(月曜日)

 4月17日の12時50分頃、英ロンドン・ヒースロー空港で、旅客機とドローンが衝突する事件が起きた。スイス・ジュネーブ発の同旅客機には、乗客132名と乗務員5名が搭乗していた。

 欧米各メディアの報道によれば、エアバスグループSE A320旅客機の操縦士が機体を着陸させた後、ドローンと思わしき飛行体が航空機の前面に衝突。警察は正確な事件経緯を調査中とのことで、まだドローンを飛ばした人物は逮捕されていないという。

 なお、航空会社であるブリティッシュ・エアウェイズ(british airways)側は「旅客機は安全に着陸し、技術者が完全に点検を終えている。次のフライトには問題がない状態」としている。

 イギリス民間航空局(Civil Aviation Authority=CAA)は、空港近くでドローンを飛ばすことは「絶対に容認できない」とし、違反した場合、懲役を含む厳しい罰則を受けると警告している。一方、国際航空運送協会(IATA)は、一般人が操縦するドローンが民間航空機にとってますます深刻な脅威になっていると指摘した。

 先月3月18日には、米ロサンゼルス国際空港(LAX)の滑走路付近を飛行していたドイツ・ルフトハンザ航空のジャンボ旅客機に、ドローンが接近するという事件が起きた。こちらは、米連邦航空局(FAA)が詳細を伝えた。

 当時、旅客機がロサンゼルス国際空港の東22.5㎞地点を飛行しながら着陸のため高度を152メートルまで下げた際に、旅客機の上空約61メートルをドローンが飛行していたことが確認されている。

ロサンジェルス国際空港
ロサンゼルス国際空港 photo by legalinsurrection.com

 FAAのイアン・グレゴール(Ian Gregor)スポークスマンによれば、ルフトハンザ456便のパイロットは、そのニアミスが原因で回避行動を取ること余儀なくされたということはなく、数分後に無事着陸したとコメントしている。一方、ロサンゼルス警察(LAPD)のスポークスマンは、FAAがすぐにLAPDの航空サービスに警報を発令したとしている。

 米国連邦政府の規制では、ドローン操縦者は、航空管制・空港当局の事前了承なしドローンを122メートルより上空、または空港周辺8㎞以内で飛ばすことができない。加えてドローンパイロットは、ドローンを他の航空機、スポーツイベント、その他人が密集した地域から隔離しなければならない。

 2014年から現在まで、ロサンゼルス国際空港付近で「安全ではないドローン飛行事例」が少なくとも42件、FAAに確認された。また過去2年間の間、カリフォルニア州で飛行機とドローンが近接遭遇(close encounter)した事例が、約200件報告されている。

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