ロボットがレシピを読んで料理!?ドイツ「PR2」の開発が進む

ロボティア編集部2015年9月1日(火曜日)

ドイツの「PR2ロボット」は、ネットに書き込まれたレシピをブラウジングして、パンケーキやピザを作る方法を学ぶことができる。これは、ロボットに言語を理解させる欧州のプロジェクト「RoboHow」の一環として研究が進められている。同プロジェクトは、ロボットに対して、人間が命令したり、慣れていないタスクを学ばせるのをより簡単にさせようとする。言い換えれば、正確な動きをロボットにプログラミングする代わりに、より単純にロボットに“何をすべきか”理解させることを目標としている。

ロボットに高水準な説明を自動で読み取らせ、特定のアクションをこなすようにするのは、重要だがとても骨の折れる仕事だ。それは人間にとってはそれほど複雑ではない。なぜなら、人間は生涯にわたる長い時間を使ってそれらの作業を学ぶからだ。例えば、人間はトマトソースを使うために、その瓶のフタ外さなければならないことをいちいち教えられなくてもこなせるし、パンケーキをひっくり返すのに、ヘラもしくはその他の調理器具が必要なことを理解できる。PR2はパンケーキを焼く際には、どういう風に扱えばよいか、その細部を理解するまでに至っていない。

「たとえば、パンケーキをあまり強く押すと、おいしく焼けないですよね」

これは、ブレーメン大学人工知能研究所のミシェル・ビーツ(Michael Beetz)氏の言葉だが、PR2が人間のように作業の意味を理解するには、さらに開発が進む必要がある。ただし、これまでのところ、シミュレーションと実際の実験において、PR2はわずかだがWikihowの説明を、有意義な行動に結び付けることに成功している。そのなかのひとつには、化学製品を処理するなどシンプルなタスクを、リサーチャーがPR2ロボットに教え込むものなどがある。

ロボットが一度ある特定のタスクを学ぶと、オープン・イース(Open Ease)というオンラインデータベースにその知識が集積される。すると、他のロボットがそこにアクセスし、同じ作業を理解することができる。これらの説明は、セマンティック・ウェブ・プロジェクトで使われている言語に似たロボットが読み取れる言語で暗号化されている。研究者たちは、ロボットが基本的なタスクを学ぶ手助けになるように、他のテクニックも使っている。そこには、人間が作業を行うビデオを見せたり、人間のアクションをトラッキングできる専用のグローブを着用して集めた仮想現実データを学ばせたりすることなどが含まれる。

photo by robofever.com